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旗竿地(敷地延長)のメリット・デメリットを初心者向きにわかりやすく解説。

◆旗竿地の利点・欠点の解説

◆旗竿地を検討し始めた原因は?

 旗竿地物件の最大の魅力は価格の安さにあることはここまで解説してきた通りじゃ。

 予算内で希望するエリアに住居を構えるのであれば、やはりどこかで妥協点を見つける必要が出て来る。

 今現在、既に物件探しを開始しており旗竿地のような敷地延長物件も検討し始めている方は、この旗竿地を検討し始めた原因について一度自分の胸に問いかけてみると良いじゃろう。

 これは最終的に物件を決める判断は、個々の優先順位によって決定する事で後々、後悔の少ない、もしくは自分で決めたと納得できる物件購入に繋がる為じゃ。

◆旗竿地の物件を購入する最大の理由

 旗竿地を購入した方々が、最終的に旗竿地物件を決めた最大の理由が何であるかご存じじゃろうか?

 この答えは、最大の利点である「価格が安い」という価格的なメリットではなく、立地や環境、治安などの「付加価値」が最大の理由となっておる。

 そして、旗竿地の最大のメリットもまた、希望する立地にある物件を手の届く価格帯で購入できる可能性を広げてくれるという点にあると考えることもできるのじゃ。

◆旗竿地から売れていくようなケースも

 東京都杉並区にある松庵という小さな地域を例にあげてみるとしよう。

 この地域は古くから地主が大きな区画で土地を保有しており、大手企業や金融機関の社宅や寮も多い。

 学校は松庵小学校、近くには中高一貫教育ではなく、高校3年の共学制という一般的な体制で東大合格者を次々と送り出している絶大な人気を誇る東京都立西高校がある。

 このエリアの地域内にある社宅に居住中の方々の大半は、西高への進学も含めてこの近隣エリア限定で物件を探すケースが多くなっておる。

 しかし、さすがに人気エリアという事もあり土地相場は高く中々手の届く物件が出てこないという特徴がある。

 松庵地域の土地物件が出て来る場合は1区画の大きな土地が売却や相続などで市場に出て来るためじゃ。

 そこで、不動産業者が一括で土地を買い取り、この大きな土地を旗竿地2、整形地2の4分割の土地などに分筆し購入希望者に手の届く価格帯で物件の販売をかけていく手法がとられるケースが多い。

旗竿地をうまく活用し4分割

 大きな土地1区画では販売が難しい物件であっても、このように土地を整形地と旗竿地に分筆することで購入できる対象者が圧倒的に増加する事になる。

 そのため購入者側だけではなく物件を販売する不動産業者側にとっても土地の分割販売は大きなメリットがあるという訳じゃな。

 尚、実際に販売にかけられた物件は価格設定の安価な旗竿地から売れていくようなケースもあるのじゃよ。

 上記の図で言えば、手前(下)が道路の間口であるため、土地を縦に4分割する方法も検討できなくもない。

 しかしその場合は、それぞれの区画の間口はとても狭くなり奥に細長い、まさしく「ウナギの寝床」と呼ばれる土地形状になってしまう。

土地を縦に4分割した場合

 こうなると、土地に建築する建物も細長くなり設計の自由も減り、どの家も似たような家になってしまう可能性が高いのぉ。

 しかし、A・B区画を手前、C・D区画を敷地延長とすることで全区画の建物の設計にも自由が生まれてくる。

 旗竿地の土地にはこのような建物の設計に関する利点もあるのじゃな。

◆付加価値を重視する購入者層が増加

 現在、物件探しをしておる方は、おそらく住み慣れた地域内で土地を探していたり、子供の学校環境(これが最も多い)や地域の治安などを意識してエリアをある程度絞りながら物件探しを行なってきたはずじゃ。

 また旗竿地物件を既に検討しておるような場合では、特に子供の学区内限定という厳しい条件での物件探しであったり、希望する進学校へのアクセスなどを重視しておるケースも多いじゃろう。

 敷地延長物件は確かに、整形地物件を比較すると欠点が多くあるのは事実じゃ。

 しかし、これだけ多くの旗竿地物件が市場に出回るようになってきた要因には、地域性や土地の付加価値を重視する購入者層が増加しておる事が関与しておるのじゃな。